SDGsの17の「持続可能な開発目標」の項目について、キリシマンが調べたことを書いていきます。
第2回は「2.飢餓をゼロに」です。
世界全体では、7億9,000万人以上の人々がいまだに適切な食料を入手できない状況にあります。
SDG2は飢餓と栄養不良を終わらせ、2030年までに持続する食料生産を達成するよう求められています。
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する!
2016年のSDG報告によると、飢餓に苦しむ人口の割合は、2020-2002年の15%から2014-2016年の11%へと減少しました。
しかし、世界全体では、7億9,000万人以上の人々がいまだに適切な食料を入手できない状況にあります。
サハラ以南のアフリカ諸国では、成人人口の半数以上が、2015年に中程度または厳しい食料不足に直面しました。
世界的には、2014年、5歳以下の子どもの場合、4人に1人が発育不全であり、その数1億5,900万人にも達しました。
子どもの栄養不良が持つもう一つの側面は、肥満児童の数が増えていることです。
これはほとんどすべての地域に見られる問題です。
2014年には、5歳未満で約4,100万人の子どもが体重超過でした。そのうち約半数は、アジアに住んでいます。
もし、人間を中心とした農村開発を適切に行い、環境を保護するならば、農業や林業、漁業が栄養のある食料をすべての人々に提供し、人並みの収入を得ることができるのです。
飢餓との闘い
食糧生産は、1945年に国連が設立されて以来未曾有の勢いで増加してきました。
今日、地球上には、すべての子ども、女性や男性に食物を与えるのに十分な食料があります。
1990年代初頭から2016年にかけて、世界の人口が19億人も増加したにも関わらず、飢餓人口の数は2億1,600万人も減少しました。
国連食糧農業機関(Food and Agriculture Organization of the United Nations:FAO)がモニターした国の大多数はMDSsの目標に達して、2015年に飢餓人口の数を半数にしました。
それにも関わらず、2016年に十分に食べることができなかった人の数は、約7億9,300万人にも達しました。
世界各地での紛争や政治的不安定、災害などに阻まれ、進展はしているものの危機が長引いています。
SDG2は飢餓と栄養不良を終わらせ、2030年までに持続する食料生産を達成するよう求められています。
飢餓と闘う国連機関のほとんどは、農村地域の貧しい人口層を中心に、食糧安全保障を強化する社会的保護計画を進めています。
国連食糧農業機関は、その設立以来、貧困と飢餓を根絶する活動を続け、そのために持続可能な農村・農業開発を進め、栄養の改善や食糧安全保障の実現に努めてきました。
食糧安全保障とは、すべての人が活動的かつ健康的な生活を営むために必要な食事や嗜好を満たす、十分で安全で栄養価に富む食事を常に実際的かつ経済的に入手することができるようにすることです。
国連食糧農業機関の世界食糧安全保障委員会(Committee on World Food Security)は、世界の食料安全保障の状況について監視し、評価し、協議をします。
委員会は、国際的な政府間プラットフォームで、すべてのステークホルダー(利害関係者)がすべての人に食糧安全保障と栄養を確保するためにともに働けるようにしています。
委員会は、食料の安全保障と栄養の幅広い問題についての政策の提案やガイダンスを行います。
全地球情報早期警報システム(Global Information and Early Warning System)は、衛星を利用して食料の供給と需要、その他の指標を監視し、世界のすべての国の食糧安全保障を評価します。
食糧の供給に潜在的な脅威が生じた場合には、それについて国や援助国に注意を呼びかけます。
国連食糧農業機関本部は、「農業市場情報システム(Agricultural Market Information System)」の事務局も務めています。
これは、政府間のプラットフォームで、市場の先行き不確実性に応えて、市場の透明性や行動を推進します。また、もっとも影響を受けやすい人々のために、食糧の価格危機と闘います。
国連食糧農業機関が主催した2009年の「食糧安全保障に関する世界サミット」では、できるだけ早い時期に飢餓を撲滅するようすべての国に訴えた宣言を採択されました。
また、気候変動が食料の安全保障にもたらす課題に取り組むことも合意されました。
国際農業開発基金は、世界のもっとも貧しい地域で飢餓と闘うための開発資金を提供します。
1日1ドル未満で生活する世界のもっとも貧しい人々の大多数は、開発途上国の農村地域に住んでおり、農業やそれに関連した仕事によって生計を立てています。
開発援助がそれをもっとも必要としている人々に届くようにするために、国際農業開発基金は、貧しい農村の男女を開発に直接参加させ、彼ら自身やその組織との共同で、自分たちの地域社会で経済的に自立する機会を作り出せるようにしています。
世界食糧計画(World Food Programme:WFP)
世界食糧計画は、もっとも必要としている人々に、まず焦点を合わせながら、グローバルな飢餓と栄養摂取の問題に取り組む国連の第一線で活躍する機関です。
2015年、世界食糧計画は81か国の7,670万人以上のもっとも弱い立場にある人々に食糧援助を行いました。
さらに160万の人々が、ほとんどがホスト国の支援による信託基金の援助を受けました。
世界食糧計画は、毎年200万トン以上の食糧を購入します。
世界食糧計画は、援助を必要としている国に最も近いところから食糧を購入することを政策としていますが、それは少なくとも食糧援助を少なくとも4分の3が開発途上国から調達されることを意味しています。
現地で調達することは、輸送の時間と費用を節約するだけでなく、現地経済の強化に貢献することに繋がります。
世界食糧計画の飢餓との戦いは、緊急援助、救援と復興、開発援助、特別の支援活動に焦点を当てています。
緊急事態が発生すると、現地に最初に現れるのが世界食糧計画であることがしばしばで、戦争や内戦、干ばつ、洪水、地震、ハリケーン、作物の凶作、自然災害の被災者に食糧を届けます。
緊急事態が治まると、世界食糧計画は食糧を使って、地域社会がその破綻した生活や生計を再建できるように支援します。
食糧と食糧関連の援助は、開発途上国の多くが追い込まれている飢餓と貧困の連鎖を断ち切る最も効果的な方法の一つです。
世界食糧計画の開発プロジェクトは、学校給食のようなプログラムを通して、特に母親や子どものための栄養摂取に焦点を当てています。
世界食糧計画は、50年以上にわたり学校給食計画を実施しており、現在ではそれを行う世界最大の人道支援機関です。
世界食糧計画は、毎年63か国を超える国々で2,000万から2,500万人の児童に学校給食を提供しており、それは最も到達困難な地域であることもしばしばです。
2015年、世界食糧計画は、62か国の約6万3,000校の1,740万人の生徒に食事を提供しました。
その食事は、調理済みの食事、スナック菓子または持ち帰りの食事などです。
これは、子どもたち、特に女子が常にクラスに出席できるようにするためです。
学校給食は、子どもが1日に受け取る唯一の食事であることがしばしばです。
学校給食は、授業に集中させるために必要な栄養とエネルギーを与えるばかりでなく、親にとっても子どもたちを学校に行かせるための強い動機にもなっています。
さもなければ、子どもたちを家に置いて、働かせることになるからです。
また、学校への出席、在席、卒業の率を高めます。
このことは、特に女子の場合に重要であり、さもなければ早くに結婚をさせられることにもなるからです。
世界食糧計画は、地域社会や現地政府との連携で、学校給食に使われる食糧はできるだけ現地の小自作農家から調達するようにしています。
2015年、世界食糧計画は2番目に高い水準の任意の拠出金を受けています。
その額は、約48億ドルです。
支出の79%は、緊急支援に回されます。
約126億食の食料が、一食当たり平均0.31ドルの費用で供給されました。
現地ベースの送金は、6億8,000万ドルに達し、960万人の人々が援助を受けました。
2014年に比べて、8%の増加となっています。
※ キリシマンのブログは、「持続可能な開発目標(SDGs)」を支援しています。
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