SDGsの17の「持続可能な開発目標」…「12.つくる責任、つかう責任」

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SDGsの17の「持続可能な開発目標」の項目について、キリシマンが調べたことを書いていきます。
第12回は「12.つくる責任、つかう責任」です。
SDG12は、環境に有害な材料の管理に関する特定の制約や国際協定のような措置を通して、消費や生産パターンを促進することを目指しています。

持続可能な生産消費形態を確保する。

マテリアル・フットプリント(資源の採掘量)は、国のニーズを満たすために必要な原材料の量を反映します。

2010年、開発先進国のマテリアル・フットプリントは、開発途上国のフットプリントと比べてかなり高く、それぞれGDP当たり23.6キロに対して14.5キロでした。
開発途上国のマテリアル・フットプリントは、2000年から2010年にかけて増加しましたが、非金属鉱物が最大の増加を示していました。

国内の物的消費とは、経済プロセスに使われた天然資源の量のことです。

2010年、開発先進国における国民1人当たりの国内の物的消費は、開発途上地域のそれに比べて72%高い状況にありました。

SDG12は、環境に有害な材料の管理に関する特定の制約や国際協定のような措置を通して、消費や生産パターンを促進することを目指しています。

ゴールが2020年までに達成したいと目指すターゲットは、そのライフスタイルを通して、化学物質や廃棄物を環境上管理し、それらが、大気、水、土壌に放出されるのを大幅に減らし、人間の健康と環境に対する悪影響を最低限に抑えることです。

有害廃棄物と化学物質

毎年、国境を越える何百万トンもの有害廃棄物を規制するために、加盟国は1989年の「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約(Basel Convention on the Control of Transboundary Movement of Hazardous Wastes and Their Disposal 1989年)」について交渉をしました。

この条約は、UNEP(国連環境計画)が管理し、185か国が加入しています。

1995年に強化され、安全な廃棄技術を持たない開発途上国への有害廃棄物の輸出が禁じられました。

条約は、国境を越えた危険な廃棄物を輸送、投棄することを減少させるため加入国に義務付けました。

1999年、加入国政府は、「バーゼル損害賠償責任議定書」を採択しました。
これは、不法投棄や有害廃棄物の事故による流出の際における財政的責任の問題を取り上げています。

オゾン層の破壊

オゾン層とは、成層圏におけるオゾン分子を意味しており、地表よりおよそ15~35キロメートル上空にある薄いガスの層で、太陽の有害紫外線から地球の表面を保護する役割を持っています。

1970年代半ば、冷蔵庫、エアコン、工業用洗浄に使用されるクロロフルオロカーボン(CHCs)など、ある種の人工化学物質が大気のオゾン層を破壊しているとの仮説が発表されました。

このことは大きな反響を呼び、国際的な懸念が高まりました。

紫外線に長時間さらすことは、皮膚がんや白内障、人間の免疫機能の低下の原因となり、また作物や野生動物、生態系に影響を与えるためでした。

オゾン層の実際の枯渇についての確かな証拠は、1980年代半ばに発見されました。

この課題に応えて、UNEPは、歴史的意義のある「オゾン層の保護に関するウィーン条約(Vienna Convention for  the Protection of the Ozone Layer 1985年)」と「モントリオール議定書(Montreal Protocol 1987年)」とその「改正(Amendments)」についての交渉を支援しました。

UNEPが運営するこれらの条約のもとに、クロロフルオロカーボン(CHCs)は2012年に世界的に廃止となり、例外的に限られた使用も2016年には廃止されました。

その他のオゾン層を枯渇させる物質も廃止となりました。

モントリオール議定書加入国は、代替フロン(HCFCs)の廃止も進めています。

UNEPオゾン委員会(UNEP Ozone Secretariat)は、オゾン層枯渇物質は全地球的に98%削減され、成層圏にオゾン層回復の兆候が見られると発表しました。

今後もオゾン層破壊物質のすべての排出を停止し続けるならば、今世紀半ばには1980年のレベルまでオゾン層を回復させることができるかも知れません。

気候変動の緩和

2016年10月、モントリオール議定書加入国は、ハイドロフルオロカーボン(HFC)の使用を制限する「キガリ改正(Kigali Amendments)」を採択しました。

HFCの廃止は、1億500万トンの温室効果ガス相当の二酸化炭素の排出を防止するものと期待されています。

また、オゾン層の保護を続けながら、2100年までに地球の温度摂氏0.5度の上昇を回避できると期待されています。

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国連

(ChickenonlineによるPixabayからの画像)

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